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「IT」と「ICT」の違いとは? 身近な事例とICT活用のメリットを解説

「ITの活用」が叫ばれて久しいですが、ここ数年「ICT」という言葉が聞かれるようになりました。どちらもデジタル技術に関する言葉であり、曖昧なままという人も多いのではないでしょうか。

ICTとITの違いだけでなく、身近な事例やICT活用のメリットを解説します。

ICTとITの違い

ICTとITの違いは「コミュニケーションに重点が置かれているかどうか」という点です。

ICT(Information and Communication Technology):情報通信技術。メールやチャット、SNSなど「人と人」あるいは「人とインターネット」を通信させる技術や、その活用方法を指すことが多い。

IT(Information Technology):情報技術。デジタル化やデータなど、コンピューター関連の技術そのものを指すことが多い。

ITの中でも、より通信やコミュニケーションに特化した技術のことをICTと呼びます。

ICTとITの使い分け

ICTとITには意味の違いがあるものの、厳密な使い分けはされていません。しかしコミュニケーションが特に意識される場面では、ICTが使われる傾向があります。

たとえば総務省では5G通信の普及やインターネット上の情報の安全性など「ICT」推進を打ち出しています。

いっぽう経済産業省ではICTを含むIT全体を含むスキルや知識として「ITパスポート」や「IT人材の育成」など「IT」を使っています。

参考:情報通信白書|総務省

参考:IT人材の育成|経済産業省

「IT」から「ICT」へシフトしつつある

日本では1990年代後半のインターネット技術の急速な発展を背景に、2000年に「IT基本戦略」が発表されました。この頃には「IT」という言葉が多く使われています。

しかし国際的には「ICT」の呼称が普及しており、総務省で発行している「IT政策大綱」も2004年から「ICT政策大綱」に名称を変更しています。

身近なICTの事例

ITによるコミュニケーションというとウェブミーティングやチャットツールなど近年普及した新しいツールが思い浮かぶかもしれません。しかしそれだけでなく、スマートフォンやメールなどすでに身近になっているツールもICTのひとつです。

医療の現場では電子カルテによるペーパーレス化や、転院の際の情報共有の効率化に役立てられています。

ほかにもオンラインでのサービス申し込みや店舗の利用予約、買い物などにもICT技術が活用されています。

政府が進めるICT

総務省ではICT成長戦略会議を設置し、ICTによる日本経済の成長と国際社会への貢献を目指しています。その一例を紹介します。

災害に強いまちづくりや災害復興

ICTは緊急速報や被害予測のほか、避難所でのネットワークの確保など情報インフラの強化にも役立つ技術として期待されています。また復興支援の一環として、災害前の地域コミュニティ回復や維持も目指しています。

高齢化社会への対応

超高齢化社会にあたり、医療・介護人材の不足を補うためICTによる職場の業務改善や効率化を進めています。

どのような医療を受けたいかといった本人の希望も共有しやすくなり、サービスを受ける高齢者ひとりひとりに寄り添った、より安全できめ細かいサポートが期待できます。

イノベーションの促進と医療貢献

iPS細胞による再生医療など、イノベーションをICTの力で促進し世界に貢献しようとしています。

ほかにも海底資源の活用やサイバーセキュリティ強化など、幅広い分野での課題解決を目指して検討が進められています。

参考:ICT成長戦略会議|総務省

ICTを活用するメリット

ICTはコミュニケーションに重点を置いた技術です。顧客と会社や社員同士など、コミュニケーションを円滑にすることで、以下のようなメリットが期待できます。

・顧客満足度の向上

・多様な働き方の促進

・生産性の向上

顧客満足度の向上

ICTツールのひとつである「チャットボット」を使えば、問い合わせの対応がスムーズになり、顧客満足度の向上につながります。

メールや電話では顧客が問題解決まで待たなければなりませんでしたが、チャットであればその場で相談を解決できます。自動応答型のチャットボットで一次対応を行い、解決できない場合はオペレーターにつなぐようにすれば、より丁寧なサポートが必要な顧客にリソースを集中させることが可能です。

多様な働き方の促進

例えばクラウドツールを使えば、働く場所や時間帯がバラバラであっても情報共有が容易になります。ミーティングの時間を合わせる必要がなくなるだけでなく、情報が一元化されることで担当交代やアクシデントによる代理対応もスムーズになるでしょう。

またリモートワークで課題となるコミュニケーション不足も、チャットやオンラインミーティングなどICTの活用で補うことが可能です。社員が孤立感を深めないよう、オンラインミーティングではあえて雑談時間を設けるなどの施策を行なっている企業もあります。

生産性の向上

取引先との会議をウェブミーティングで行えば、移動時間が不要になります。また定型業務について自動化すれば、余剰人材をより創造性の高い業務に充てることが可能です。

まとめ

IT技術の中でもコミュニケーションや通信に重点を置いているのがICTです。ICT技術はインターネットの普及によりすでに生活の中に広がっており、身近な技術といえるでしょう。今後いっそうの発展を遂げていく中で、社会課題の解決が期待されます。