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IT人材の不足はなぜ起きる? 人材を確保する方法を解説

IT化推進が高まり、中小企業だけでなく大手企業においても人材の不足を感じる企業が増えています。

政府が人材育成を推進しているにもかかわらず、なぜこれほどIT人材が不足しているのでしょうか。

IT人材不足の現状

実際にどのくらいIT人材が不足しているのでしょうか。関連省庁などの予測や、企業へのアンケート結果を見てみましょう。

最低でも16万人の人材が不足する

令和4年度労働経済白書では、2030年までに最低でも16万人、IT分野での需要がさらに高まった場合では79万人の不足が発生すると報告されています。

参考:令和4年版 労働経済の分析(労働経済白書)|厚生労働省

量・質共に不足感が高まる

2021年と2022年に行ったアンケート調査では、人材の量の不足を感じている企業割合は約85%で変化はないものの、内訳として「大幅に不足している」が30.6%から49.6%と増加しました。

引用元:DX白書2023|IPA

また質の面でも同様で、不足感を示している企業は9割から8割に減少しているものの、内訳を見ると「大幅に不足している」が30.5%から51.7%に増加しています。

引用元:DX白書2023|IPA

特にDX人材と呼ばれるAIなど高度なIT技術と知識を有した人材の不足が顕著で、社会全体でDX推進が進む中、より不足感が明確になっているといえるでしょう。

IT人材が不足している理由

IT人材の不足には「供給の減少」と「需要の高まり」という2つの要因があります。

労働力の減少

まずは供給となる労働人口自体の減少が挙げられます。

総務省の労働力調査によると、労働力人口(15 歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた人口)は前年に比べ5万人減少し、約6,900万人となりました。

また企業の主戦力となる64 歳までの人口では、前年に比べ6万人の減少となる5975 万人でした。

女性や高齢者の就業者数は増加しているものの、少子化が進む中で労働力不足がすぐに解消することは考えにくいでしょう。

参考:労働力調査|総務省統計局

IT人材の育成不足

供給不足のもう1つの要因は、これまで国内でIT人材が育っていないという点です。

IT関連の知識や技術は専門技能であり、活用できる人材を育てるには長い時間がかかります。しかし日本では「IT企業=ブラック企業」というイメージが長く続いたためIT関連業界を志望する人が少なく、必然的にIT人材としての素養を高める人が増えませんでした。

近年ではIT企業の成功や働き方の自由度からイメージが向上しIT人材として就業を希望する人も増えていますが、十分なスキルや知識を有する人材は少ないのが現状です。

IT市場の急成長

次に需要の拡大です。IT推進、DX推進に伴い、ここ10年でIT人材市場は急激に成長しました。

以下は東京都内の公共職業安定所における、IT技術関連職と全職種の有効求人倍率を比較した表です。

全職種平均IT技術関連職
2023年1.463.13
2022年1.232.88
2021年1.012.19
2020年1.102.51
2019年1.733.88

※いずれも6月度の集計。【東京】職業別有効求人・求職状況より作成

IT人材の需要は根強く、新型コロナの流行により求人数が落ち込んだ2020年や2021年においてもIT技術関連職は全職種平均の2倍以上を維持しています。

IT人材を採用するのは難しい

高スキル人材は海外でもニーズが高く、国内企業だけでなくGAFAのような海外の大手IT企業も人材確保の競争相手となります。海外は日本よりもIT技術者の年収が高い傾向があり、人材サービス企業の調査によると日本は世界20位(38,337USドル)でした。

技術や語学力といったスキルを有する人材ほど国外に出て行きやすい状況があり、国内での優秀なIT人材の採用難に拍車をかけています。

参考:2022年度版:データで見る世界のITエンジニアレポートvol.6|ヒューマンリソシア株式会社

またたとえ採用できたとしても、早期に退職されてしまう可能性もあります。特にこれまでITの活用に馴染みのなかった企業では既存社員とのあいだに意識の不一致が生じやすく、IT人材に活躍してもらうためには経営者や会社からの適切なフォローが必要です。

IT人材の獲得には派遣サービスも有効

自社での育成も採用も難しい場合は、IT人材専門の派遣サービスを検討してみましょう。

ミスマッチや早期退職といった自社雇用のリスクを抱えることなく、自社の必要とする分野や予算に合わせて必要な人材に来てもらうことが可能です。

まとめ

IT人材の不足は、労働人口自体の減少や育成に時間がかかるという供給面と、IT推進の加速という需要面の双方の要因があります。自社での採用や育成が難しい場合は、IT専門人材の派遣サービスなども活用してIT人材の拡充を図っていきましょう。