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SDGs人材を育成するには?効果的な育成方法と注意点

SDGsは新しい概念でもあり、従業員の教育や意識の定着に悩んでいる人事担当者や経営者の方も多いのではないでしょうか。

この記事では、具体的な方法とSDGs人材の育成における注意点を解説します。

SDGs推進の成功には「SDGs人材」の育成が不可欠

SDGsが国連サミットで採択されたのは2015年です。歴史が浅く、聞いたことはあっても十分な知識を持つ人は多くありません。

理解が浅いままでSDGsに取り組むとうまくいかないどころか、後述する「SDGsウォッシュ」と呼ばれる弊害を招く危険もあります。

SDGs人材を育成するメリット

SDGs人材育成のメリットについて解説します。

SDGs活動を効率的に進めることができる

SDGsの意義を社員が理解できていれば、現場の意思決定や課題の設定においてSDGsの視点を持った判断ができるようになります。

一度決定した方針が後になってSDGsに反する内容であることが判明したり、専門家や専門部署にいちいち判断を仰いだりといったことがなくなり、効率的にSDGs活動を進められます。

SDGsウォッシュを回避できる

SDGsウォッシュとは「SDGs活動をしているように見せかけること」のことです。

例えば「企業のSDGs活動として「自然保護」を掲げているにもかかわらず、大規模な森林伐採や乱獲によって製品の材料を調達している」などの事例が該当します。

SDGsは取引先や顧客など、事業におけるすべての関係者に関わる目標です。職種や職務に関わらずSDGs人材として育成することが、SDGsウォッシュの帽子につながります。

企業価値を向上させるような事業アイデアが出やすくなる

SDGsに関する事業は投資や取引の対象として評価されやすく、企業価値の向上にもつながります。

しかしSDGsに関する事業を行うには、これまで重視されてきた売上や市場占有といった視点だけでは不十分です。

SDGs人材の育成が進んでいれば、SDGsの視点に立ったアイデアが出てくることが期待できるでしょう。

SDGs人材を効果的に育成する方法

ではSDGs人材をどのように育成していけば良いのでしょうか。2つの方法を紹介します。

SDGsを打ち出した採用活動を行う

新卒、中途採用を問わず、SDGsに力を入れていることをアピールすることで、SDGsへの関心が高い人材を採用できる可能性が上がります。

会社選びに関する調査では、新卒の19.1%、転職を考えている人の65%が「SDGsに対する取り組みを重視する」と回答しました。

参考:【定点調査】「24卒就活生のSDGsに関する意識調査」|株式会社

参考:3,000人に聞く「SDGs」意識調査|エン・ジャパン株式会社https://corp.en-

また多様な価値観をもつ人材確保にもつながるため、社内での新しい視点を獲得できる点もメリットといえるでしょう。

外部講師や外部研修を活用する

正しい知識を得るためには、外部の専門家を講師として招いたり、外部研修を活用したりしましょう。

また会社として研修を開催する以外にも、社員のSDGsに関する勉強会参加費用を補助するなど学びを支援する制度の創設も有効です。

SDGs人材を育成する際の注意点

最後に、SDGs人材育成の注意点を解説します。

従業員の負担が増加しすぎないように配慮する

研修への参加やSDGs事業へ取り組む際には、既存業務を減らすなどして業務負荷がかかりすぎないように注意しましょう。

SDGsには「働きがいのある人間らしい雇用を促進する」という目標もあります。人材育成を機に既存業務を見直して残業削減を進めること自体も、SDGsの取り組みのひとつといえます。

レベルに合わせた教育を行う

SDGsは話題のトピックでもあり、すぐに目に見えた成果を期待してしまいがちです。

しかし個人の興味のある分野や価値観は異なるため、最初は戸惑うこともあるでしょう。

初めから高い目標を掲げたり「SDGsだから正しい」と押し付けたりせず、受け入れやすい事例や身近な課題から取り組み、徐々に意識を浸透させていきましょう。

経営層と従業員で価値観を共有する

従業員にしっかりとSDGsの意識が浸透するためには、根気強く丁寧な説明が必要です。

経営層がなぜSDGsを重視しているのか、またその活動を通してどんな会社にしたいのかといったことを、経営層から直接発信していきましょう。

また従業員からの意見や提案を行いやすい雰囲気つくりも重要です。経営陣と従業員が相互に意見を交換するなかで、SDGsへの理解が深まるだけでなくSDGsと事業を結びつける意識も育まれます。

SDGs人材の育成事例

国内企業でのSDGs人材の育成に関する事例を紹介しています。

大手総合化学メーカー:得意分野に応じた目標を設定

住宅や医薬品などさまざまな分野を手掛ける旭化成グループでは、グループ全体のSDGs活動を推進する部署として、サステナビリティ推進委員会を設置しています。

さらに事業部門の得意分野に応じて、SDGsの各目標に対する主幹部場やKPIを定めています。主幹やKPIが明確になることで、方針の統一や評価がしやすい体制といえるでしょう。

参考:旭化成グループ

人材派遣会社:多様な働き方を提案

人材派遣を行うトランスコスモスパートナーズ株式会社では、ライフステージの変化などに対応して多様な働き方を提案しています。派遣先の事情と派遣人材の事情をマッチさせることで就業機会を確保し、収入の確保や雇用の平等を促進しています。

参考:トランスコスモスパートナーズ株式会社

まとめ

SDGsは「持続可能な」とある通り、一過性の流行ではありません。短期的な株価上昇や話題性として取り組むのではなく、長期的な企業の成長や社会へ貢献の意識を持って取り組むことが、将来的な企業価値の向上につながっていくはずです。