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副業解禁のメリットとデメリットは? 企業側と従業員側から解説

副業解禁を検討するにあたり、人材流出や本業への影響などを心配する人も多いのではないでしょうか。

この記事では、企業側と従業員側の双方の視点からメリットとデメリットを解説するとともに、トラブルを防ぐためのポイントも紹介します。

副業解禁はいつから?

国としても副業を推進していますが、副業の解禁自体が義務化されたわけではありません。また「何年までに副業を解禁しなければならない」といった決まりもありません。

しかし2018年には厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表し、厚生労働省ホームページに掲載されている「モデル就業規則」からも副業を禁止する規定が削除されました。

参考:副業・兼業|厚生労働省

民間企業でも2021年時点で7割以上が副業を解禁しており、副業はより一般的になっていくでしょう。

参考:クラウドワークス、「副業データブック 2022年版」を発表73.9%の企業が副業容認、副業ワーカー採用した企業は85.4%が成果を実感

企業側のメリットとデメリット

企業側のメリットとデメリットを解説します。

メリット

企業側のメリットは主に以下の3点です。

・従業員のスキルアップ

自社内での研修やスキル習得には限界がありますが、従業員が自ら副業に取り組むことで、社外の知見を吸収してもらうことができます。

また従業員自らの趣味を副業とした場合、気分転換にもなり本業の効率アップも期待できるでしょう。

・転職市場で有利になる

転職エージェント企業が実施したアンケートによると、「転職するときは副業OKの会社を選びたい」と回答した人が8割に上りました。

終身雇用や年功序列といった旧来の働き方が通用しなくなる中、キャリアアップや収入だけでなく「会従業員の立場に依存しない」働き方を求める人も多いようです。

参考:【調査報告】2月9日は「副業の日」 社会人の「副業経験」について 2018年の“副業元年”から4年… 副業経験がある人は32.7%と半数以下 副業目的の上位は「収入増加」(77.3%)・「スキルアップ」(39.8%)副業OKの会社も36.4%で半数届かず 「転職するなら副業OKな会社希望」の声が8割|株式会社ワークポート

・優秀な人材の確保

他社を本業としている人に副業として自社で働いてもらうことで、優秀な人材を活用することができます。

外部の視点を取り入れることができるため既存従業員の刺激にもなり、成長意欲の向上にもつながるでしょう。

デメリット

デメリットは以下の3つが挙げられます。

・人材の流出リスク

副業によって従業員の視野が広がり別のキャリアを手にすることで、自社から離れていくリスクが高まります。

スキルアップした従業員が「この会社で働き続けたい」と思い続けられるような環境や待遇の整備が必要です。

・情報漏洩リスク

自社従業員が他社で働くことで、必然的に情報漏洩のリスクは高まります。特に相手が競合他社だった場合、直接的にダメージになることもありえます。

守秘義務規程を設けている企業が多いかと思いますが、競合や同業界、同業種での副業を禁止するなどの対策をとりましょう。

・健康管理や労災トラブルのリスク

副業を行うことで長時間労働による業務効率の低下や、寝不足による事故などにつながるリスクがあります。

他社で発生した事故について責任を問われることは原則としてありませんが、労働時間の通算など健康管理の必要があります。

従業員側のメリットとデメリット

次に従業員側のメリットとデメリットです。

メリット

従業員側のメリットは以下の3つです。

・視野が広がる

副業を行うことで、現在抱えている業務のヒントが見つかるかもしれません。ほかにも自社で「普通」など思っていたことが常識とずれていたり、逆に自社の良い点に気付いたりするきっかけになります。

・収入アップ

副業を行うことで本業以外の収入が上乗せされるので、収入アップが見込めます。

ただし本業のほうで時短勤務を行ったり、残業時間を減らして副業に充てたりする場合は、必ずしも収入が上がるとは限りません。

・キャリア形成

本業以外に仕事を持つことで、万が一本業の会社が倒産したり退職を余儀なくされたりしても別のキャリアへの転身を図ることが容易になります。

デメリット

デメリットは以下の2つです。

・ワークライフバランスがとりにくくなる

本業の時間を減らさず副業を行う場合、睡眠時間や余暇の時間を副業に充てることになります。

メリハリをつけて上手に時間管理を行わないと、家族との時間や休息の時間を取れなくなり、体調不良などにつながります。

・税金手続きが面倒になる

ひとつの企業に雇用されている場合は、年末調整を会社が行うのが一般的です。税金の納付について特段の手間を感じることは少ないでしょう。

しかし副業をしていると、副業の収入額によっては個人での確定申告が必要です。特に個人事業主として副業を行っている場合は、経費計算など手続きが煩雑になることもあります。

副業を解禁した企業

実際に副業を解禁した企業の事例を紹介します。

クラウドワークス

クラウドワークスは2016年頃から従業員の副業を解禁してきました。2021年時点で従業員の約半数が副業を行なっており、趣味や未経験分野を経験する後押しになっています。

参考:クラウドワークス株式会社

SMBC日興証券

SMBC日興証券では2020年に「多様な働き方の施策」の1つとして副業を解禁しました。

同社では社会保険の管理が煩雑になるのを防ぐため、他社で雇用が発生する副業は禁止とするなどのルールを設けています。

また副業解禁と合わせて週休3日制を導入するとともに、本業と合わせての時間外労働(残業)時間の上限を設けるなど、体調管理にも配慮した運用を行なっています。

参考:SMBC日興証券

トラブル防止のための留意点

副業を解禁するにあたっては、あらかじめルールを定めておくことで労使間のトラブルを防ぐことができます。

設定する項目の一例

・副業可能な業種や職種

・事前申請の要否

・他社で雇用が発生する場合の就業時間条件 など

ある程度の制約があったほうが、労使双方とも副業の可否を判断しやすくなります。

ルールを途中で厳しくすると従業員の反発を招きやすいので、最初はやや厳しく設定して様子を見ながらルールを緩和していくと良いでしょう

まとめ

副業解禁について、企業側と従業員側双方の視点から解説しました。 副業は人材流出などのリスクもありますが、反面、人材確保の上で有利に働くこともあります。先行する成功事例も参考にしながら、徐々に取り組んでいきましょう。