1. ホーム
  2. ブログ
  3. 失業保険(失業手当)をもらうと損をする? 受給のメリットとデメリットを解説

失業保険(失業手当)をもらうと損をする? 受給のメリットとデメリットを解説

仕事を辞めた後に生活費として受け取ることができる、いわゆる「失業手当」。

働かない間も収入が得られるため転職活動の助けになりますが、受給することによるデメリットもあります。

いわゆる「失業保険」「失業手当」と呼ばれるものは雇用保険に関する受給のうち「基本手当」にあたります。本記事では「失業手当」として記載します。

失業手当とは

失業手当とは、雇用保険に加入していた人が退職したときに再就職までの当面の生活費として支給されるものです。

正社員だった人だけでなく、アルバイトや派遣社員などでも一定の条件を満たしていれば受給が可能です。

・もらえる期間

原則90〜150日。解雇、倒産などの場合は日数が増えることがあります。

・もらえる金額

「直近6カ月間の日給」の45〜80%です。年齢や日給の額によって掛け率は異なりますが、月給の30分の1の6〜7割程度を目安と考えれば良いでしょう。

失業手当のメリット

まずは受給のメリットを見てみましょう

・金銭面の不安を軽減し、落ち着いて転職活動ができる

・失業手当以外の手当てを受け取ることができる

金銭面の不安を軽減し、落ち着いて転職活動ができる

最も大きなメリットは、金銭面の不安が少なくなることです。

会社に勤めていた間に貯金が十分にあれば問題ありません。しかしそうでない場合は「とにかくお金が必要」という焦りから、自分に合わない仕事や条件が低い仕事を選んでしまう危険も。

当面の生活費が支給されることで、お金の心配をすることなくじっくりと条件や仕事内容を吟味することができます。

失業手当以外の手当を受け取ることができる

失業手当の受給資格を持っていると、失業中に公共職業訓練を受けたり再就職したりした際に、別途給付を受け取ることができます

たとえば再就職が決まったときに受け取ることができる「再就職手当」は、「失業手当の受給資格があること」が支給条件のひとつとなっています。

受給資格を持ってさえいればいいので、失業手当を実際に受け取っていなくても構いません。ただし受給資格を得るためには、ハローワークでの手続きが必要です。

失業手当のデメリット

次にデメリットについて見てみましょう。

・雇用保険加入期間がリセットされる

・年金が減る

雇用保険加入期間がリセットされる

失業手当を受給すると、それまでの雇用保険の加入期間はリセットされます。

雇用保険の加入期間が長いほど失業手当の支給期間も長くなるため、失業手当を受給すると、次に退職したときの失業手当の支給期間が短くなります。

またそもそも失業手当を受け取るためには、一定の雇用保険加入期間が必要です。

そのため失業手当を受給したあとの再就職先を短期間で退職すると、必要な雇用保険加入期間を満たすことができず、失業手当をもらえない可能性もあります。

実際に受給したかどうかではなく「受給資格を取得したかどうか」で判断されます。例えば「前回退職したときに失業の申し込みをした(=受給資格を取得した)が、すぐに就職が決まったので失業手当をもらわなかった」という場合もリセットされます。

年金が減る

60歳以上の人で「老齢厚生年金」を受け取っている人は、失業手当を受け取ると年金を減額されたり、支給が一時停止されたりする場合があります。

失業手当の受給申請をする前に、公共職業安定所(ハローワーク)や年金事務所で確認してみましょう。

注意点

失業手当を受給する際の注意点について解説します。

自己都合退職の場合は制限がかかる

自己都合退職の場合、ハローワークで手続きをしたあと1〜3ヶ月間は受給できないことがあります(支給制限)。

ただし以下の場合は制限が解除され、すぐに受給することができます。

・不可抗力による退職(体力不足、病気、結婚や配偶者の転勤に伴う転居、職場での嫌がらせなど)

・公共職業安定所が指定する職業訓練を受ける

職業訓練を受けると失業手当を受け取りながらスキルアップを図ることができるので、転職にも有利になります。

「自己都合退職だからもらえない」と思わず、まずはハローワークの窓口で受給条件について相談してみることをおすすめします。

短期間での退職の場合はもらえない可能性あり

失業手当を受け取るためには、「直近2年以内に12ヶ月以上」の雇用保険加入期間が必要です。もし12ヶ月未満で退職した場合、必要な期間を満たすことができず失業手当を受給できません。

職場での嫌がらせや解雇などの場合、最短6ヶ月の加入期間があれば受給できることがあります。

もらい過ぎると再就職手当や就職促進手当の金額が減る

再就職したときにもらえる手当として「再就職手当」や「就業促進定着手当(給与が転職前に比べて下がった時の補填)」というものがあります。

これらは「早く再就職をした人」を対象に支給されるため、失業手当を長期にわたって受給していると支給を受けられない場合があります。

受給手続き

受給手続きについて紹介します。

(1)ハローワーク(公共職業安定所)へ行って「求職の申し込み」をする

まずはハローワークへ行って「求職の申し込み」をしましょう。この「求職の申し込み」は「仕事を探している状態である」ことを申し出るものであり、この時点で求人に応募するものではありません。

(2)毎月失業の認定を受ける

4週間ごとに公共職業安定所に行って「失業の認定」を受けます。なお失業の認定を受けるためには、実際に求職活動をしていることが必要です。

この失業の認定を受けないと失業手当を受け取ることができないので、忘れずに手続きをしましょう。

さいごに

失業手当のメリットとデメリットについて解説しました。

失業手当は受給条件や期間が人によって異なるため、受給を迷っている場合や、受給できるかわからない場合も、まずはハローワークへ相談に行ってみることをお勧めします。