再就職手当(早期就職手当)を確実にもらう! 条件と手続き方法を解説
退職後、就職が早く決まると「再就職手当」というお金を受け取ることができます。
早期就職手当と呼ばれることもありますが、正式名は「再就職手当」です。この記事では再就職手当と記載します。
再就職手当は就職が早いほど支給額が多くなりますが、受け取るための手続きにはいくつか注意事項があります。
再就職手当がもらえる条件
再就職手当がもらえる条件は、大きく以下の4点です。専門用語もあるので、詳しく解説していきます。
再就職手当をもらえる条件
- 所定給付日数が1/3以上残っていること
- 待機期間を経過していること
- 安定した職についたこと
- 過去3年以内に再就職手当等を受けたことがないこと
■所定給付日数が1/3以上残っていること
所定給付日数とは、失業している間に基本手当(いわゆる「失業手当」)がもらえる日数のことです。
算定基礎期間(≒前職に勤めていた期間) | 所定給付日数 |
10年未満 | 90日 |
10年〜20年未満 | 120日 |
20年以上 | 150日 |
たとえば所定給付日数が90日の場合、だいたい2ヶ月以内に次の仕事を決めることができれば、再就職手当の対象となります。
また前回の転職の際に基本手当を受給していない場合(退職後すぐに次の職場での勤務が開始した場合など)は、直近の職場での勤めていた期間と、その前の職場の勤務期間を通算した期間が算定基礎期間となります。
倒産や解雇などの会社都合や、時間外残業が多いことや業務内容が違法なものであることを理由とした退職の場合は所定給付日数が多くなります。
■待機期間を経過していること
失業してハローワークで手続きを行った後、7日間は基本手当を受け取ることができません。この期間を「待機期間」と呼びます。
この待機期間が終了する前に次の仕事が決まった場合は、再就職手当を受け取ることができません。
■安定した職についたこと
安定した職業とは「1年以上雇用されることが確実と思われる」仕事のことです。
パートや契約社員、派遣社員でも契約期間が1年以上であればほぼ問題ありません。
個人事業主として開業した場合でも「安定した職」として認められることがあります。
■過去3年以内に再就職手当等を受けたことがないこと
何度も退職してそのたびに失業手当や再就職手当をもらっているという場合は、再就職手当の対象になりません。
再就職手当の金額
再就職手当の金額は以下のとおりです。
再就職手当の金額
基本手当日額×支給残日数の残日数×60%または70%
基本手当日額は「賃金日額(6ヶ月平均)の45%〜80%」の範囲で決定されます。
ハローワークで求職の申し込みをした際に通知されますが、月給30万円であれば賃金日額が1万円、基本手当は6,000円くらいです。
就職が早いほど支給額は増える
支給残日数が1/3以上2/3未満のとき掛け率は60%ですが、支給残日数が2/3以上残っていると掛け率は70%になります。
たとえば基本手当日額が6,000円で所定給付日数が90日あり、1ヶ月(30日)で次の仕事が決まった場合は
基本手当日額(6,000円)×支給残日数(60日)×70%=420,000円
となります。
再就職手当をもらうための手続き
正しい手順で手続きを踏まないと、もらえるはずの再就職手当がもらえなくなります。
(1)ハローワークで「求職の申し込み」手続きをする
まずはハローワークで「求職の申し込み」をします。これはハローワークの求人情報に応募することではなく「失業して仕事を探している」という手続きです。
この手続きが完了していないと、再就職手当はもらえません。退職後はすぐにハローワークへ行きましょう。
(2)仕事を探す
ハローワークでの手続きが終わったら、仕事を探しましょう。
自己都合退職の場合は、応募経路によって再就職手当の対象外になることがあります。後述の「再就職手当をもらえなくなるケース」を参照してください。
(3)ハローワークで再就職手当の支給申請を行う
再就職手当の申請期限は就職後1ヶ月です。できるだけ早くハローワークで手続きを行いましょう。
ハローワークで就職の報告を行うと「再就職手当支給申請書」を渡されます。この申請書に必要事項を記入して、ハローワークへ提出してください。
(4)再就職手当の支給を受ける
支給申請後、約1ヶ月程度で指定の金融機関口座に振り込まれます。
再就職手当をもらえなくなるケース
再就職手当をもらえなくなるケースとして、よくあるパターンを紹介します。
■ハローワークで「求職の申し込み」をする前に内定をもらった
ハローワークで「求職の申し込み」をする前に内定をもらっていると、再就職手当を受け取ることができません。
たとえば在職中に内定をもらっている場合などが該当します。
また退職後にハローワークで手続きを行わないまま就職活動をして、内定をもらってから初めてハローワークへ行った場合も対象外です。退職したら、まずはハローワークで「求職の申し込み」を行いましょう。
在職中から転職活動を行なっていても、内定をもらっていなければ再就職手当の対象となります。
■退職前の会社への就職ではないこと
いわゆる「出戻り」就職は、再就職手当の対象にはなりません。
■自己都合退職による制限
自己都合退職の場合、「待機期間経過後1ヶ月の間」は以下の経路での就職でないと再就職手当を受け取ることができません。
- ハローワークでの求人
- 職業紹介業者(転職エージェントなど)による就職
つまり、個人事業主の開業や知人からの紹介、店舗などの求人張り紙からの就職については、1ヶ月を経過したあとでないと再就職手当の対象外となります。
さいごに
再就職手当の金額は早く就職すればするだけ高くなります。なにより自分のキャリアや生活を安定させる意味でも、仕事が早く見つかるに越したことはありません。
早く良い仕事を見つけて、再就職手当をご褒美と思って受け取りましょう!