30代の転職者に求められるスキルとは? 若手にないニーズで転職を成功させよう
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転職が一般化し、30代での転職も珍しくなくなりました。
しかし「30代」という年齢が転職で不利になるのではないかと不安に感じる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、30代の転職者に企業がどのようなことを求めているのか、需要の背景も含めて解説します。
30代での就職件数は20代より多い
30代での転職は難しいと思われがちですが、就職件数としては20代よりも30代のほうがやや多くなっています。
20代 | 30代 | |
2020年 | 190,947 | 216,151 |
2021年 | 193,621 | 211,244 |
2022年 | 181,251 | 194,394 |
参考:厚生労働省 一般職業紹介状況(職業安定業務統計)より作成
30代の転職者が求められる背景
いま30代の転職者が企業に求められる背景には、単なる「人手」の不足以上に「必要なスキルを持つ人材」の不足があります。
業態チェンジに伴う経験者募集
消費者ニーズの多様化や新型コロナの流行による生活スタイルの変化を受け、業態を変更したり新規事業を立ち上げたりする企業が増えました。
社内に適切な人材がいない場合には、社外から経験者を入れて事業の立ち上げを任せることが少なくありません。事業責任者としての採用となるので、知識や経験が多様な30代以上が求められます。
DX人材などスペシャリスト募集
DX推進を行うにあたり、デジタルやITに精通したスペシャリストの採用が増えています。
デジタル分野における経験があり、かつ社内でイニシアチブを取れる人材となると、若手よりも実績のある30代以降を求める傾向があります。
マネジメント層の募集
現在30代の後半から40代前後の世代は、いわゆる就職氷河期の終盤にあたります。
当時新卒採用の数を減らした企業ではマネジメントとして活躍してほしい30代の層が薄くなっているケースも多く、社外からの雇用を増やしています。
30代だからこそ求められるスキルとは
30代を採用する企業は、求職者に20代にないスキルを求めています。以下の3つは代表的なもので、いずれか1つ以上が必須という求人がほとんどです。
・即戦力
・マネジメント力
・イニシアチブ力
即戦力
管理職採用だけでなく、スタッフとしての採用でも即戦力が求められます。同じ業種や同じ職種の経験者であれば、未経験者に比べて教育コストもかかりません。
また未経験の業種であっても、ビジネススキルや仕事の進め方など前職で身につけていることが期待されます。
マネジメント力
マネジメント力を求められるのも30代の転職ならではでしょう。スタッフポジションの求人が全くないわけではありませんが、管理職、あるいは管理職候補としての求人の割合が20代に比べて非常に多くなります。
イニシアチブ力
特に新規事業の責任者などにおいて求められるのがイニシアチブ力です。
イニシアチブ力には目標達成のためのバイタリティだけでなく、論理的思考やチームマネジメント、渉外など複数の要素が含まれており、スキルだけでなくメンタルの面でも成熟した人材が求められます。
年齢が不利になることはある?
30代ならではの需要があるいっぽう、年齢が不利になることもあります。
20代では未経験業種や未経験職種であっても、いわゆる「ポテンシャル採用」の枠がありました。しかし30代になると基本的には即戦力を期待しての採用となるので、未経験分野での転職はハードルが上がってしまいます。
またベンチャーなど平均年齢が低い会社の場合、既存社員とのバランスから30代の採用に慎重になることもあります。
30代で転職するメリット
30代で転職するメリットを3つ解説します。
年収アップが見込める
30代の転職は主に経験者や管理職での採用となるため、現職からの年収アップを目指しやすくなります。
2022年に実施された転職に関するアンケート調査では「年収が上がった」と回答した人が最も多い年代は30代で、約65%が年収アップを叶えています。
参考:Job総研による『転職と年収に関する実態調査』を実施 6割が自己評価より低い年収に不満 転職で年収アップ平均40万円』|株式会社ライボ
ミスマッチを防ぎやすい
30代になると自分の得意分野や苦手分野が仕事を通じて明確になっているので、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。
また自分の人生において重視したい軸やライフプランの見通しがある程度固まっている時期でもあり、企業風土や待遇の面でも自分に合った企業を探しやすいでしょう。
責任あるポジションを任せてもらえる
管理職としての採用であれば、早期から裁量をもって働くことが可能です。またスタッフとしての採用であっても経験者ということでまとまった仕事を任せられることは多く、やりがいと責任を感じられるでしょう。
30代の転職で失敗しないために必要なこと
準備を怠ると思うように内定が取れなかったり、転職後の後悔につながったりします。転職を成功させるために、以下のポイントに留意しましょう。
スキルの棚卸しをする
自分のこれまでのスキルを整理し、棚卸しをしっかりしましょう。特に数字で表せられる成果やマネジメント人数などは、実績としてわかりやすく、アピールポイントとして活用できます。
また違う業種や職種への転職であれば、ポータブルスキルにも注目しましょう。ポータブルスキルとは「課題解決力」や「思考力」など、業界や職種を問わず必要なスキルです。ポータブルスキルを活かして取り組んだ仕事があれば、未経験業種への転職でもアピールできます。
企業のニーズや社風を確認する
どんなにスキルや経験があっても、企業の求める人材と一致していなければ内定にはつながりません。
また自分の仕事のスタイルや考え方と、企業の社風が一致しているかも重要です。
経験に固執しない
成功体験を持っているほど、同じやり方に固執してしまいがちです。しかし同じ業種や同じ職種であっても企業によって文化や風土は異なりますし、成功のための絶対的なルールはありません。
活かせる経験は存分に活かしつつ、転職先の文化や一緒に働く人に応じて柔軟に考え方を変えられる柔軟性が大事です。
まとめ
30代での転職は年齢が壁になると思われがちですが、経験や知識といった20代にはないニーズも多くあります。会社の求めるものと自分の希望をきちんとすり合わせて、転職を成功させましょう。