初めての面接官マニュアル|失敗しないための心構えと注意点
選考の初期段階では、現場の担当者が面接官に指名されることもあります。
面接は会社の印象を決める大事な場でもあります。初めての面接で失敗してしまわないように、基本を押さえて臨ようにしましょう。
面接官の心構え
基本的な心構えができていれば、それほど大きな失敗をする危険はありません。
面接官の心構え
・自社に合う人を見つける
・「応募者からも選ばれている」という意識を持つ
たとえ入社してもらっても、ミスマッチで退職となってしまえば採用に費やした時間もコストも無駄になります。能力だけでなく、自社へのマッチングも意識することが重要です。
また採用面接は「選ぶ」という意識になりがちですが、応募者からも「選ばれている」ことを忘れないようにしましょう。
面接の流れ
(1)アイスブレイク
YES/NOで答えられる質問で緊張をほぐして、話しやすい雰囲気を作ります。3分程度を見込みます。
- 急に暖かくなりましたね
- 会社の場所はすぐにわかりましたか など
(2)応募者の自己紹介
応募者に自己紹介をしてもらう際は、相槌を打ちながらしっかり話を聞いてください。
気になることがあるときは、自己紹介が終わってから質問しましょう。
(3)退職理由、志望動機の確認
退職理由を訊く際は、できるだけ具体的に確認します。
例えば「ノルマがきつい」のであれば目標自体が無理な設定(会社の問題)なのか、それとも応募者が能力を発揮できない(本人の問題)のか、把握できると良いでしょう。
「人間関係」もよくある理由ですが、ハラスメントを受けている場合など話しにくいこともあります。無理のない範囲で訊くようにしましょう。
(4)希望条件のすり合わせ
入社後にどんな仕事をしたいか、また入社後の働き方(テレワーク希望など)について確認します。
在職中であれば入社可能な時期についても、確認しておきましょう。
(5)質疑応答
応募者の疑問や不安をできるだけ解消します。もし応募意欲が下がりそうなことであっても、嘘をつかず答えることが重要です。
また自分で答えられない質問には、無理に答えてはいけません。あとで詳しい担当者などに確認して返答するように伝えましょう。
(6)事務連絡
最後に、選考に関する事務的な連絡を行います。合否連絡の時期と連絡手段は必ず伝えましょう。
見るべきポイント
面接で見るべきポイントは様々ですが、まずは以下の3つを意識してみましょう。
面接で見るべきポイント
・退職理由が自社にも当てはまらないか
・コミュニケーションが取れるか
・既存社員とうまくやっていけそうか
■退職理由が自社にもあてはまらないか
退職の要因が自社にも当てはまる場合、採用しても短期間での退職につながる可能性があります。
■コミュニケーションがとれるか
質問に対して的外れな回答をしていないか、こちらの話を聞いているかなど、基本的なことで十分です。
■既存社員とうまくやっていけそうか
たとえば「既存社員は静かに業務に集中するタイプだが、応募者は和気あいあいとした雰囲気を好む」場合では、雰囲気に馴染めない可能性があります。
NGな態度や質問
面接官の言動によっては、志望意欲を下げてしまうばかりかSNSでの悪評にもつながりかねません。
■高圧的
顧客対応時のストレス耐性を確認したいという人もいるかもしれませんが、全く意味がありません。
ストレス耐性を確認したいのであれば、前職での失敗談などを訊きましょう。
■興味がなさそう
初めての面接で質問をすることに意識が向いてしまうかもしれませんが、まずはしっかり応募者の話を聞くことを意識しましょう。
「自分の話を聞いてくれている」というだけでも、応募者の志望度を高めることにつながります。
■業務に関係のない質問
業務に関係のない質問はしてはいけません。
《例》
- 結婚、家族、パートナー、経済状況
- 出身地、本籍、国籍
- 政治信条、尊敬する人 など
たとえば「結婚しても働いてくれるか」などは、働いているうちに考えが変わるので訊いても意味がありません。
そのほか、厚生労働省が面接時の注意点をまとめています。
(参考)厚生労働省 公正な採用選考の基本
訊きたいことを訊くための面接質問例
具体的、客観的な情報を引き出せるように質問を繰り返していきましょう。
■経験や知識を確認する
具体的な作業内容を訊くことで「どのくらい使えるか」を確認します。また自社と違うツールを使っている場合も、ツールへの取り組み方を訊くことで柔軟に対応できるかを確認することができます。
- 前職でも○○を使われていましたが、どのような作業を行っていましたか?
- 前職では△△を使っていらしたんですね。すぐに慣れましたか?
■業務への適性を確認する
- やりがいを感じた仕事はなんですか
- 失敗したことと改善したことを教えてください
- モチベーションが落ちてしまったときはどんな風に対処しましたか
■職場への適性を確認する
- 同僚や上司とのコミュニケーションで重視していることを教えてください
- 個人で判断するのと、チームで相談して決めるのはちらが向いていますか
まとめ
面接初心者向けに、基本的な心構えや注意点を解説しました。
- 相手にも選ばれているという意識を持つ
- 業務に関係のないことは訊かない
- ミスマッチを防ぐ
事前に応募書類に目を通すだけでも十分なので、準備をしっかりして臨みましょう。