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HRテックとは? 人材活用に役立つツールの活用場面や導入方法を解説

人事分野でデジタルを活用する「HRテック」は、企業の成長を後押しする「攻め」の人事戦略ツールとしても注目を集めています。

HRテックとはどういうものなのか、導入手順や注意点についても解説します。

HRテックとは

HRテックとは、人事分野の業務効率化や課題解決を目指す技術です。

従来の人事システムとは以下の違いがあります。

・先進技術を利用していること

・使いやすく直感的な画面

HRテックではAIや専門の分析ロジックを使うことで、「性格」や「志向」など数値に表れにくい情報も分析することができます。

また分析結果は直感的に理解できるよう可視化されます。そのため担当者の分析スキルや知識のレベルに依存することなく、必要なデータの抽出や活用が可能です。

HRテックが注目される背景

HRテックに注目が集まる背景には「業務効率化」と「人材活用」のニーズがあります。

特にテレワークの急速な広がりは、非対面を前提とした業務効率化の流れを加速しました。遠隔でも滞りなく業務を行うために、クラウドを活用したHRテックに期待が寄せられています。

また人材の新規獲得が難しくなる中、既存社員の有効活用や優秀な人材の流出防止の重要性が増していることも背景として挙げられます。隠れた能力やモチベーションなど、数値で表しにくい情報をHRテックでは可視化することが可能です。

HRテックの活用場面

HRテックは人事のさまざまな分野で活用できます。主な活用場面を5つ紹介します。

・採用活動

・既存人材の活用

・社内コミュニケーションの促進

・健康管理

・業務効率化

採用活動

HRテックでは母集団管理だけでなく、既存社員の特性分析による「活躍できる人材」や「足りていない人材」の要件定義も可能です。来てくれた人に対するフォローだけではなく、欲しい人材に会社側からアプローチする「攻めの採用活動」にもつなげられます。

既存人材の活用

既存社員に対しては、タレントマネジメントやエンゲージメントの向上にHRテックを活用できます

タレントマネジメントとは社員の能力を把握し、適材適所の配置を行うことです。得意な業務を任せることで生産性を上げるだけでなく、人材育成のサポートにも利用できます。

エンゲージメントは会社への帰属意識や愛着、仕事への思い入れや達成感の総称です。エンゲージメントが高い社員は生産性が高いだけでなく、離職意向も低い傾向があります。

社内コミュニケーションの促進

テレワークで課題となりやすいコミュニケーション不足を解消することは、社員の心理的安全性の向上につながります。

また部署を超えた活発な意見交換は、社内全体の風通しを改善しアイデアの創出を促します。

健康管理

HRテックでは健康診断やストレスチェックの結果を管理するだけでなく、長時間勤務など体調不良につながる要因をいち早く察知することも可能です。

迅速な対応によって社員の健康状態を良好に保ち、休職や離職を未然に防ぐことができます。

業務効率化

入退社や給与計算など、人事に関する手続きの業務効率化も可能です。手続きに必要な情報を従業員本人に入力してもらったり、経理や行政システムとのデータ連携を行なったりして人事部門の業務負荷を軽減できます。

HRテック導入のステップ

実際にHRテックを会社に導入する際の準備を解説します。

1.導入目的を明確にする

HRテックサービスは複数あり、それぞれ分析できる内容や得意分野が異なります。

すべてを解決できるツールは少なく、また導入費用もかかります。特に解決したい課題を明確にしましょう。

2.必要な要件を整理する

必要な要件をまとめておくと、システムの選定を行う際の判断基準とできます。

・利用する人のITスキル

・既存システムとの連携の必要性

・利用する場所 など

たとえば今までに専用システムを使ったことがない社員が大半である場合、多機能すぎるシステムを導入しても使いこなせず定着しない可能性があります。

また関連するシステムがある場合は、連携の有無も重要です。たとえば給与計算業務の軽減を目的とするのであれば、勤怠管理ツールや経理システムとの連携ができたほうが便利です。

3.サービスを選定する

次に要件に見合ったサービスを選定していきます。可能であればいくつかのサービスやツールをトライアル利用してみて、自社に馴染むものを選定しましょう。

4.導入目的や注意点を利用者に理解してもらう

実際に利用をスタートする際に、利用者である従業員に目的や利用時の注意点を説明します。

特にテレワークなど社外での利用を想定している場合は、個人情報の取り扱いやアカウントの管理についてルールを設けましょう。

HRテック利用時の注意点

HRテックを利用する際は、以下の点に注意してください

・すぐに結果は出ないことを理解する

・必ず効果検証をする

・個人情報の取り扱いにルールを設ける

・目的や最終判断は人間が責任を持つ

人事分野の業務は1年単位での業務も多く、すぐに結果が出るものではありません。従業員に利用が浸透するまで待ってから、効果検証をするようにしましょう。

またHRテックでは課題に対する解決策の提案も可能ですが、最終的な施策を判断するのは人間です。ツールに振り回されないように注意してください。

HRテック導入の成功事例

HRテックで採用活動を成功させた事例として、「日立製作所」を紹介します。

日立製作所では「こつこつと着実に取り組む」ものづくり志向の社員が多く、採用も同じ特性を持つ人材に偏っていたそうです。しかし「コトづくり」の社会ニーズが高まる中、「すぐに取り組む」志向の人材確保が課題となっていました。

この課題に対し、日立製作所ではまず個人の性格や組織風土などの要素を分析しました。分析結果から増やすべき人材の要素を定義し選考の参考とすることで、狙っていた人材を確保することに成功したそうです。

参考:人事の実践経験者が語る!HRテックを活用した日立の働き方改革の実例|日立製作所

まとめ

HRテックは先進技術を用いた人事分野の課題解決ツールやサービスです。導入の際は導入目的を明確にし、自社に合ったサービスを選ぶようにしましょう。